タロット占いの1枚引きやスリーカードに慣れてきたものの、「もっと深く、複雑な悩みの本質を知りたい」と感じていませんか?
タロット占いの次のステップとして多くの人が挑戦するのが、この「ケルト十字」です。
現在、過去、未来、そして潜在意識まで、10枚のカードがあなたの悩みを多角的に映し出します。
この記事では、タロット占い初心者の方でも迷わないよう、ケルト十字の正しい展開方法から、10枚のカードそれぞれが持つ意味、そしてリーディングを格段に深めるコツまで、丁寧に解説します。
タロット占いのスプレッドの中で最も定番で、よく知られている手法の一つですので、ぜひ気軽にチャレンジしてみてください。
展開は少し複雑に見えますが、手順を一つずつ覚えれば、初心者の方でも十分使いこなせるようになります。
だからこそ、「タロットを本格的に学びたい」と考える人がまず初めに挑戦するスプレッドとして定着しているのです。
ケルト十字とは

ケルト十字とは、10枚のカードを使って読み解くスプレッドの一つで占いの現場でも定番として最も広く使われています。
他のスプレッドと違ってカードの配置が細かく定められており、それぞれの配置には特定の意味があります。
また、それに加えて各要素を関連付けながら総合的に読み解くため、多角的な視点から状況を把握することができます。
多角的な視点を用いることで、下記のようなことが読めるようになります。
・問題の根本的な原因や直面している障害
・自分が表面的に気づいていること(表層心理)と気づいていないこと(深層心理)
・過去から現在の状況
・近い未来の予測
・問題解決のためのアドバイス
使用するタロットカードの枚数が多く、1つの質問に対して多角的な視点から占うことができるため、仕事・恋愛・人間関係以外にも、特に複雑な問題や深い質問にも適しています。
ケルト十字はあらゆるテーマに使える汎用性が高い万能なスプレッドです。
ケルト十字のやり方

ケルト十字の基本的なやり方は下記です。
①質問内容を心の中で念じながら、タロットカードを裏向きにしてよくシャッフルします。
②カードを裏向きのまま10枚引き、それぞれの位置に並べます。
カードの采配に決まりはありません。
<大アルカナのみを使用する場合>
手元のカードを無駄なく使いたい場合は、1枚おきにカードを抜き取るのがおすすめです。
<フルデッキを使用する場合>
上から順番に抜き取るほか、7枚目ごとに抜き取る、完全にランダムに抜き取るなど方法はさまざまです。あなたの自由な感覚で選んで問題ありません。
③カードをオープンし、リーディングします。
オープンの仕方も決まりはありません。
一度に全てオープンしたり、左側の十字部分だけ先にリーディングしてから右側の縦部分をリーディングするなど自由です。そのため、あなたに合うやりやすいやり方でやってみましょう。
ケルト十字のそれぞれの配置と意味

ケルト十字の最大の特徴は、合計10枚のカードが持つそれぞれの意味です。
一見複雑に見えますが、それぞれのポジションの意味を一つずつ理解することで、リーディングがぐっと楽になります。
それでは、各カードのポジションと意味を詳しく見ていきましょう。
<配置したカードの位置と意味>
①現在の状況
質問者の「今」を表す最も重要なカードです。
問題の核心や、質問者が置かれている状況そのものを象徴します。
②障害や対策(キーカード)
質問者が抱えている問題の原因や、解決を阻む障害、または質問者がまだ気づいていない可能性を示します。
①の現状に対して、「横から刺さるように」置かれるカードです。
③顕在意識
質問者が現在、意識していることや、考えていることなどの気持ちを示します。
表面的に見えている感情や思考を読み解きます。
④潜在意識
質問者が無意識のうちに感じていることや、心の奥底にある願望を示します。
自分では気付いていない感情や思考を読み解きます。
⑤近い過去
問題に影響を与えている直近の過去を示します。
過去の経験や出来事が、現在の状況にどう繋がっているかです。
⑥近い未来
近い将来に起こるであろう可能性を示します。
未来の展開や、取るべき行動のヒントを与えます。
⑦質問者の立場や状況
質問者自身が置かれている今の状態や、問題に対する姿勢を示します。
感情や思考、行動パターンなどを読み解きます。
⑧質問者以外の周囲の状況
質問者を取り巻く環境や、他者からの影響、周囲の評価などを示します。
周囲の人々の評価や環境が質問者に与える影響です。
⑨願望
質問者が望んでいること、または恐れていることを示します。
心の葛藤を読み解く重要なカードです。
⑩結論
①〜⑨の今までの流れを踏まえた、最終的な結論や未来の可能性を示します。
質問に対する答えと、質問者が取るべき行動や将来の見通しを読み解きます。
ケルト十字のリーディングのコツ

全体をみる
占いに使用するカード枚数が多くなると、どのように読み解いていけばいいかわからなくなってしまいますよね。
しかし焦らずに、いきなり個々のカードの意味を読み解こうとするのではなく、まずは全体を見渡して雰囲気を掴むことが大切です。
〈全体を見る時のポイント〉
・明るい感じと暗い感じ、どちらか?
・正位置と逆位置、どちらが多いか?または大アルカナが多いか?
・どのスートが多いか、少ないか?
・数字が多いか、少ないか?
例えば、展開されたカードが「太陽・星・世界」などが多く出ていたり、絵柄全体がポジティブで前向きな雰囲気である場合は、良い状況に向かっている、または希望に満ちていると解釈できます。
他にも、「ワンド」が多ければ、新しいことに挑戦するエネルギーがある状況であると解釈できます。
このように、全体像からヒントを得ることで、個々のカードの解釈がより深く、そして筋道の通ったものになります。
組み合わせをみる
大体の全体の雰囲気が分かったら、次は組み合わせでカードを見ていきます。
同じ数字のカードや構図が似たカード、また対になっているカードに注目し、それらを1つのグループとして組み合わせて読むことで、さらに解釈がしやすくなります。
〈組み合わせを見る時のポイント〉
・潜在意識と顕在意識のカードを見比べるとどうか?
・過去/現在/未来の時間軸で見た時の流れはどんな感じか?
例えば、3枚目と4枚目のカードは顕在意識と潜在意識を示しており、この2枚に正反対の意味のカードがでた場合は、表面的な願望と心の奥底にある本音との間にズレが生じている状態ということです。
そのため、そのギャップを理解することが問題解決や自己成長への一歩となることがわかるため、その後のカードをどのように読み解くべきかがわかります。
一枚一枚をみる
全体と組み合わせをみた後で、最後に一枚一枚のカードの意味に着目します。
ここまでくると1つのストーリーとして解釈できるようになっているため、個々のカードとして見ても、これまで読んできたカードと関連付けながら読むことができます。
<一枚一枚を見る時のポイント>
・2枚目の「キーカード」には何がでているか?
・質問者以外の周囲の気持ちはどうか?
・最終結果は良いか、悪いか?
2枚目の「キーカード」は、1枚目の”現状”に対して何が原因であるかを示すだけではなく、問題解決のためにどのようにアプローチを取るべきかも同時に示しています。
そのため、解釈の方向性が定まっていると他のカードの意味を見る時にも、このキーカードを重ね合わせて解釈することで、全体を読み解く際にブレがなくなります。
また、8枚目の「質問者以外の周囲の環境」から客観的な意見を取り入れることは、一方的な解決策ではなく、よりバランスの取れた解決策を見出すポイントにもなります。
最終結果が悪くても、単に「対処法がないからダメだ...」と諦めないでください。
「どのように対処すれば今よりも良い状況になるのか」「自分に足りていない部分をどのように補えば良いのか」など、物事を捉える視点を変えてみると行動パターンが変わり、人生が良い方向に動き始めるかもしれません。
読み取りにくいカードがあった場合

10枚のカードの中には読み取りにくいカードもあるでしょう。
うまく読み取れない時は、次回リーディング時のためにメモに残すのがおすすめです。
メモに残しておくと今は全体を読み取れなくても、慣れてきた頃に1つのストーリーとして読むことができるようになり、適切な解釈ができるようになっているかもしれません。
また、意外にも質問者に問いかける余裕があれば問いかけるのもありです。
占い師は質問者の全ての状況を把握している訳ではないので、「どう感じるか?」「何か心当たりがあるか?」と敢えて質問者に問いかけることで、本人が気付いていない真相の気持ちや考えを質問を通じて引き出せます。
また、質問者のフィードバックを得ながらリーディングを進めることで、解釈の誤りを修正したり、新たな視点からリーディングができたりと、より正確なリーディングが提供できることもあります。
ケルト十字の実例(恋愛編)

それでは実際に、ケルト十字のリーディングのコツを踏まえて、具体例を用いながら実践形式で読み解いてみましょう。
今回はタロット占いでよく質問される「恋愛」をテーマに解説していきます。
質問:「最近出会った気になる相手がいます。この恋が今後どうなっていくか、二人の関係について教えてください。」
今回引いたカードは以下の10枚です。
それぞれのカードの象徴的な意味を、上の表と照らし合わせながら確認してみましょう。

この後のリーディングポイントで説明する際にセットで見ると読み解きやすいものを同じ色でまとめているので、こちらも是非参考にしてみてくださいね。

①現在の状況「恋人」(時間軸)
キーワード: 選択、結びつき、愛、調和

②障害や対策「隠者」(キーカード)
キーワード: 内省、孤独、探求、慎重さ

③顕在意識「魔術医(逆位置)」(意識)
キーワード: 無計画、不器用、自信のなさ

④潜在意識「審判」(意識)
キーワード: 復活、再生、覚醒

⑤近い過去「力」(時間軸)
キーワード: 意思の力、優しさ、自己抑制

⑥近い未来「皇帝(逆位置)」(時間軸)
キーワード: 支配、未熟、頑固、不安定

⑦質問者の立場や状況「女帝」(最終的な結果の流れ)
キーワード: 豊かさ、優しさ、母性、包容力

⑧質問者以外の周囲の状況「星」(最終的な結果の流れ)
キーワード: 希望、ひらめき、直感、期待

⑨願望「吊るされた男」(最終的な結果の流れ)
キーワード: 試練、自己犠牲、視点の転換

⑩結論「運命の輪」(最終的な結果の流れ)
キーワード: 運命的な出会い、転機、チャンス
リーディングポイント1:全体をみて第一印象を掴む
まずは全体をぼんやりと眺め、明るい雰囲気のカードが多いのか、どのスートが多いのか、数字が多いのかなど、ざっくりとした雰囲気を掴みます。
ここでは直感的に感じることが大切です。
今回の場合は、「恋人たち」「審判」「星」「運命の輪」といった、ポジティブで大きな変化を予感させるカードが複数出ています。
一方で、「隠者」「皇帝(逆位置)」「吊るされた男」といった、慎重さや課題を示唆するカードも含まれています。
このことから、今回の占いでは「二人の関係は運命的な始まりを迎える可能性が高いが、そのためには乗り越えるべき課題や試練がある」という大まかな方向性が見えてきます。
この第一印象を頭の片隅に置きながら、次のステップで個々のカードを読み解いていきましょう。
リーディングポイント2:組み合わせをみて、個々のカードの意味を関連付けて読み解く
(1) 「顕在意識(3枚目)」と「潜在意識(4枚目)」
質問者の顕在意識は「魔術師(逆位置)」なので、「どうアプローチしたらいいか分からない」「自信がない」と感じているようです。
しかし、潜在意識では「審判」が出ているため、心の奥底では「この関係をもう一度動かしたい」「再スタートを切りたい」という強い願いがあることを示しています。
(2) 「過去(5枚目)」と「現状(1枚目)」と「未来(6枚目)」
過去の「力」は、これまで質問者が恋愛に対して、感情的になるのではなく、優しさと理性で向き合ってきたことを物語っています。
それが現在の「恋人たち」という運命的な出会いに繋がっているのかもしれません。
しかし、未来に出た「皇帝(逆位置)」はこのまま進むと、お互いの意見や気持ちを尊重できずに一方的になり過ぎると、二人の関係が不安定になる可能性を警告しています。
リーディングポイント3:一枚一枚をみて、最終結果を導き出す
最終結果は今までの流れを踏まえて読み解きますが、特に「障害や対策(2枚目)」と「願望(9枚目)」、「結論(10枚目)」の3枚のカードを組み合わせると、ぐっと読み解きやすくなります。
2枚目のカードは問題の原因となっていることを示しており、9枚目の質問者が望んでいる未来に対して、10枚目の結論で望む未来に対してどのように対処していくのが良いのかを説明する流れのイメージです。
この3枚のカードは、あなたがこの恋の悩みをどう乗り越え、どんな心境で進んでいけば最終的な結果に繋がるのかを示しています。
障害や対策の「隠者」は、この恋を進める上で「一度立ち止まって深く考えること」が鍵になることを示しています。
そして願望の「吊るされた男」は、その過程で「今までの自分の考え方や価値観を変えること」が必要になることを示しています。
これらの課題を乗り越えた先に待っているのが結論の「運命の輪」です。
つまり、「あなたが慎重に考え、これまでの考え方を少し変えて新しい視点を取り入れたとき、二人の関係は運命的な転機を迎えることができるでしょう。」と読み解くことができます。
ただ最終結果が良い・悪いと判断するのではなく、その結論に至るための「具体的な行動」や「心の持ち方」を読み解くのが、ケルト十字リーディングの醍醐味です。
まとめ
あなたは今、気になる相手と良い雰囲気で、運命的な縁を感じています(恋人)。
しかし、どうアプローチしていいか分からず、少し自信を失っているかもしれません(魔術師・逆位置)。
心の奥底では、この関係を進展させたいという強い願いを抱いています(審判)。
未来は明るく(星)、関係が進むことで大きな転機が訪れる可能性が高いです(運命の輪)。
しかし、「このままではいけない」という警告も出ており、もしもあなたが相手の意見や気持ちを尊重せずに一方的に意見や考えを押し付け過ぎると、二人の関係が不安定になるかもしれません(皇帝・逆位置)。
具体的な行動へのアドバイス
個々のカードから読み解けるアドバイスです。
・今の関係を深く見つめ直す時間を設けましょう(隠者)
「本当に相手のことが好きなのか」「自分はどういう関係を築きたいのか」を一度立ち止まって考えることで、より良い関係を築くためのヒントが見つかります。
・相手をあなたの優しさや包容力で包み込むことを意識してください(女帝)
・関係を進展させるには、今までのやり方や考え方を変える必要があるかもしれません(吊るされた男)
しかしそれは、二人の関係をより強固なものにするための試練だと捉え、乗り越えることで、最終的には運命的な関係へと進んでいけるでしょう(運命の輪)。
このように、一見ネガティブなカード「皇帝(逆位置)」が出ても、他のカードと組み合わせることで、「今抱えている問題の根本原因」や「それを乗り越えるための具体的なアドバイス」を導き出せるのが、ケルト十字スプレッドの大きな魅力です。
単純に悪い結果と捉えるのではなく、物事を捉える視点を変えるだけでカードが示す意味合いが変わってくるので、物事をできるだけ良い方向へと捉えるようにしていくことがおすすめです。
まとめ

ケルト十字は、単に未来を占うだけではなく、「今」を深く理解し、より良い未来を自分で創り出すためのヒントを与えてくれるスプレッドです。
1つの質問に対して、多角的な視点から読み解くため、これまでのスプレッドとは違って、さらに深く読み解きたい時などにおすすめです。
ケルト十字をマスターすることで、あなた自身のリーディングスキルをや精度がアップするだけではなく、カードがくれるアドバイスをもとに考え方や行動が変わると、未来もよりより方向に変えていくことができます。
タロット占いは、単なる「当たる、当たらない」だけではありません。
タロットカードの絵柄からインスピレーションを受け、自分自身の内面と向き合うことで、新たな気づきを得ることができるでしょう。
タロット占いを始めて間もない方や、なかなかリーディングが上達せずに悩んでいる方向けに、「すぴりちゅリアル」では安心して学べるオンライン講座をご用意しています。
カードの意味やスプレッドの選び方はもちろん、あなたの目的や性格に合わせたカリキュラムで、タロットの基礎をしっかり身につけることができます。
「わかる」から「読める」へ。
もっと楽しく、もっと自信を持ってタロットと向き合えるように、ぜひ一度チェックしてみてくださいね。