恋愛においては焦らすことが重要だといった話をよく見聞きするかと思います。
実際に焦らされて相手への思いが増した経験のある方も多いのではないでしょうか?
実はこの焦らすという行為にも人の心理が深く関係しています。
今回はシンプルに焦らす心理的な恋愛テクニックとして、ツァイガルニク効果についてお話していきたいと思います。
そもそもツァイガルニク効果とは?
「ツァイガルニク効果」という名前に関してはあまり見聞きしたことがないという方も多いでしょう。
では、そもそもツァイガルニク効果とは、どのような心の働きなのでしょうか?
ツァイガルニク効果というのは、達成できた事柄よりも達成できなかった事柄や中断している事柄のほうをより覚えているという現象のことを指します。
「ツァイガルニック効果」「ゼイガルニク効果」「ゼイガルニック効果」と呼ばれることもあります。
もともとはドイツのゲシュタルト心理学者であるクルト・レヴィンによる「人は欲求によって目標指向的に行動するとき、緊張感が生じ、その緊張感が持続するが、目標が達成されるとその緊張感は解消する」という考えがあって、その考えをもとにリトアニア出身で旧ソビエト連邦の心理学者であるブリューマ・ゼイガルニクが「目標が達成されない行為に関する未完了課題についての記憶は、完了課題についての記憶に比べて想起されやすい」というツァイガルニク効果について実験的に示しました。
言葉にすると難しく感じられるかもしれませんが、実らなかった初恋の話をイメージするとわかりやすいかと思います。
性別や年齢に関係なく、実らなかった初恋について話す方というのは多い傾向にあります。
「あの人が好きだったんだけど、告白できなくて……」「思い切って告白したんだけどフラれちゃって……」「手紙を渡したかったんだけど、渡せなくて……」……もちろん、もともと初恋が記憶に残りやすいという部分もあるかもしれませんが、目標が達成できなかったからこそ、つまり初恋が実らなかったからこそ、より鮮明に覚えているわけです。
ツァイガルニク効果を恋愛テクニックとして使っていくには?
では、ツァイガルニク効果を恋愛テクニックとして使っていくにはどうしたらいいのでしょうか?
ツァイガルニク効果を使っていく上では、肝心なところで一歩引くというのが大切になってきます。
例えば、ふたりで食事に行って相手から「もう一軒どう?」と誘われたらどうでしょうか?
ほとんどの方がOKしてしまうかと思います。
しかしながら、ツァイガルニク効果を意識していくのであればここでは好きな相手からの誘いを断るのが正解です。
「せっかく好きな人からの誘いなのに!」「断るなんて相手に申し訳ない……」などそれぞれで思うところはあるでしょう。
ただ、ここで誘いを断ることによって相手の中で「OKしてもらえなかった」という不完全燃焼感が出てくるわけです。
この不完全燃焼感がうまい具合に働くと、今度は相手からのデートのお誘いなどにつながってくる可能性があります。
また、LINEにしてもチャットにしてもやり取りが続くようになったら自分のところであえて切るというのもひとつです。
好きな相手だからこそ、常に100%で応えたいという気持ちはわかるのですが、それでは相手の印象にもなかなか残らなくなってしまいます。
「相手にとっては少し物足りないかな?」というくらいのところで切り上げることを意識していきましょう。
ツァイガルニク効果を使う上での注意点
ツァイガルニク効果を恋愛で使っていく場合、まず焦らし過ぎに注意が必要です。
例えば、相手から食事の誘いがあったのを1回目で断って2回目でOKするというくらいであればまったく問題はないのですが、1回目も2回目も3回目も断ってしまうような形になってしまうと相手のほうが「嫌われた……」と勘違いして身を引いてしまいます。
また、ツァイガルニク効果というのはある程度、相手が興味を持ってくれていることを前提としている部分もあります。
もし相手から大して興味を持たれておらず相手に恋人候補が何人もいるような状態だと、他の恋人候補に流れてしまうだけになってしまいます。
恋愛でツァイガルニク効果を取り入れていこうと思っているのであれば、誰かれ構わずに使うのではなく、効果的な相手を狙って使うようにしましょう。
まとめ
今回はシンプル焦らす心理的な恋愛テクニックということでツァイガルニク効果についてお話しました。
焦らし過ぎないこと、そして相手を選ぶことに注意しながらうまく活用していきましょう。
ツァイガルニク効果を味方につけることで、恋愛における駆け引き上手になれるかもしれません。